7月の株主優待銘柄は39銘柄。レジャー系や自社関連商品優待などが目立つ月となっています。また、7月の優待株は主に内需株のため、トランプ関税や円高の悪影響を受けにくい面もあります。2025年7月の人気株主優待を紹介します。
7月株主優待 人気ランキング
順位 | コード | 銘柄名 | 優待品例 | 優待発生金額※1 |
---|---|---|---|---|
1 | 2353 | 日本駐車場開発 | 自社駐車場割引券など | 123,000 |
2 | 3159 | 丸善CHI HD | 買物券 | 33,200 |
3 | 2590 | ダイドーグループHD | 自社グループ商品割引など | 2,684 |
4 | 7196 | Casa | QUOカード | 82,100 |
5 | 9166 | GENDA | 施設利用クーポン | 84,300 |
6 | 3539 | JM HD | 精肉関連商品など | 242,400 |
7 | 7683 | ダブルエー | 靴など一足無料券 | 136,800 |
8 | 3463 | いちごホテルリート投資法人 | 観戦チケットなど | 123,000 |
9 | 6091 | ウエスコHD | 施設入場券 | 69,200 |
10 | 3418 | バルニバービ | 食事券など | 116,500 |
※1 優待発生金額 =2025年6月5日終値の株価 × 優待獲得最低株数で計算した金額です。 |
最新の情報は、楽天証券の「株主優待検索」>>
このランキングは楽天証券で優待を保有されているお客さまの人数が2025年6月2日時点で多い順番です。 |
7月の株主優待銘柄は39銘柄!
2025年7月優待株は、権利付き最終日が7月29日(火)、権利落ち日が翌7月30日(水)となり、権利確定日が7月31日(木)という最短スケジュールになります。
7月29日(火)に優待株を購入し、翌日の30日(水)まで保有し続けると優待権利を獲得できます。
今回の7月優待株は39銘柄。
※楽天証券 株主優待検索より
個人投資家獲得のため、多くの企業が新規に株主優待制度を導入していることもあり、2024年より6銘柄※増えました。
※楽天証券 株主優待人気ランキングより
1位の日本駐車場開発の駐車場割引券、ほか自社関連のレジャー、エンターテインメント施設の入場割引券や自社関連商品優待が目立つ月です。
7月優待株の大半は主に国内でビジネスを展開する内需株のため、米国トランプ大統領の関税政策や円高の悪影響を受けにくい面もあります。
人気10位以外にも魅力的な外食系優待株があるので紹介します。
- 「鳥貴族」のエターナルホスピタリティグループ(7月・1月末に100株で1,000円分の食事優待券の電子チケット)
- 「肉汁餃子のダンダダン」のNATTY SWANKYホールディングス(7月・1月末に100株以上で一律、店舗やテイクアウトで利用できる電子チケット1万円分)
- 「ラーメン山岡家」などを展開する丸千代山岡家(7月・1月末に100株でラーメン無料券2枚、お米2kg、乾麺セット1個のいずれか。ラーメン無料券は価格550~1,470円、大盛・中盛・セットメニュー含むラーメン1杯と取り換え)
- 「ステーキのあさくま」のあさくま(7月末に100株以上で商品抽選権利。5万円分の食事券100名など六つの商品が用意され、抽選に漏れた人にも3,000円分の食事券贈呈。1月末には100株以上で一律4,000円分の食事券)
年2回、高額な優待食事券が贈呈される優待株も多いので、日頃店舗をよく利用しているなら購入を検討してみるのもいいでしょう。
円高メリット優待株に投資妙味あり!?
現在、日本では物価高や財政赤字拡大懸念で長期金利が上昇。日米の金利差が縮小したことで、1ドル=143円台まで円高が進んでいます。
円高は海外で収益を上げる外需株にとって逆風になりますが、海外から原材料や製品を輸入する内需株にとっては輸入品の円建てコストが低下するので追い風です。
こうした「円高メリット株」には株主優待制度を導入している企業も多く、今後、さらに円高が進行すれば株価の上昇にも期待できます。
例えば、「業務スーパー」を運営する神戸物産(3038)は10月末に100株保有でJCBギフトカード1,000円分贈呈(3年以上継続保有で3,000円分に増額)の優待制度を導入しています。
株価も2025年に入って前年末比33.3%高と絶好調です。
「驚安の殿堂 ドン・キホーテ」を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)も6月・12月末に100株以上保有で一律、同社電子マネー「majica」の2,000ポイント分(1ポイント=1円で利用可)が贈呈されます。
インバウンド需要や物価高騰による客数増加もあり、同社の株価は長期間にわたって、きれいな右肩上がりが続いています。
他にも、2月・8月末時点の株主に買い物の際に7%割引が適用される優待カードが贈呈される「無印良品」運営の良品計画(7453)、2月20日時点の株主に100株保有で2,000円分の買い物券が贈呈される格安衣料品販売のしまむら(8227)など、主に海外で生産される原料や製品の販売を行う優待株の株価は絶好調です。
7月優待株では格安価格で精肉を販売する「肉のハナマサ」運営のJMホールディングス(3539)などが円高メリット株といえるかもしれません。
ただ、円高が進行すると訪日外国人が来日しづらくなる面もあります。
そのため、7月優待株に多いレジャー・アミューズメント施設、ホテル・旅客関連、百貨店など、インバウンド需要が好業績の主因になっている内需株に関しては、実際の業績はともかく、円高進行で株価が上がりにくくなる面もあります。
1位:日本駐車場開発(2353)
権利付き最終月:7月、1月[貸借銘柄] |
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7月優待株の人気第1位は商業施設などの駐車場運営を行う日本駐車場開発。
栃木県那須のテーマパーク事業や子会社の日本スキー場開発(6040)がスキー場事業も行っています。
7月末は500株(投資金額約12万3,000円)以上が優待所得の条件となり、500株保有で同社運営の時間貸駐車場1日料金30%割引券3枚が贈呈されます。
また、日本スキー場開発が運営するスキー場のリフト・アクティビティ割引券3枚(リフト1日券1,500円割引やリゾート施設入場料・ロープウェイ往復乗車券50%割引などに利用可能)、那須ハイランドパーク割引券1枚(入園料1,000円割引)なども贈られます。
1月末は1,000株(投資金額約24万6,000円)以上が条件となり、1,000株保有で日本スキー場開発が運営するリフト・アクティビティ割引券紙3枚、電子チケット3枚などが贈られます。
同社は、子会社の日本スキー場開発が運営するスキー場がインバウンド需要で好調。メイン事業の駐車場運営も新規物件取得が進み、今期2025年7月期は大幅増収、営業増益予想です。
株主配当は前期比1.5円増配の1株当たり7円を予定しており、予想配当利回りは2.85%に達しています。
株価も2025年2月安値198円から3月には251円の高値まで上昇。現在は240円台前後で再上昇を狙っている状況です。
2位:丸善CHI HD(3159)
権利付き最終月:7月[貸借銘柄] |
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第2位は書店の「丸善」や「ジュンク堂書店」を運営する丸善CHIホールディングス。
7月末に100株保有で、全国の「丸善」「ジュンク堂書店」で利用できる商品券500円分が贈られます。
同社は出版不況で業績横ばいが続くものの、図書館運営受託事業が底堅く推移。書店の店舗では好採算のホビー、雑貨販売に力を入れています。
株価はここ3年ほど300~340円台で横ばい推移。非常に割安な水準のため、ここからさらに下げる恐れは少ないといえるでしょう。
ただ本格的な上昇に転じるためには、新たな成長事業の育成や積極的な株主還元策が必要になりそうです。
3位:ダイドーグループHD(2590)
権利付き最終月:7月20日、1月20日[貸借銘柄] |
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第3位は自動販売機事業に強い飲料メーカーのダイドーグループホールディングス。同社の決算期日は1月20日です。
7月20日、1月20日時点で1株以上保有していると、傘下の「ダイドードリンコ」の飲料・健康食品、「たらみ」のゼリーなどの商品を優待価格で購入できる特典があります。
購入方法は株主向け通信誌「DyDo Challenge通信」などで案内されています。
同社のメイン優待は、1月20日時点で200株(投資金額約53万6,800円)以上を半年以上継続保有すると、自社グループ商品の詰め合わせ6,000円相当が贈呈されるというもの。
来年2026年1月20日株主向けの優待権利を獲得するためには、今年2025年7月16日(水)までに同社の株を200株以上購入しておく必要があります。
7月20日時点の株主に関しては、100株以上を5年以上保有し続けると1回限りですが記念品の贈呈もあります。
同社は国内自販機事業のIT化など設備投資費用がかさみ、前期2025年1月期は経常減益。今期2026年1月期の第1四半期も原価高騰などで営業赤字に転落しています。
今後は稼ぎ頭になっているトルコ、中国、英国、ポーランドなど海外での飲料事業のさらなる成長に期待したいところです。
株価は2024年12月高値の3,600円から現在は2,600円台前半まで下落。
株価が純資産の何倍まで買われているかを示した株価純資産倍率(PBR)が1倍を割り込む水準まで下がっています。
6,000円相当の高額な飲料優待を目的に半年間継続保有する上では、押し目買いに適した株価水準といえるかもしれません。
4位:Casa(7196)
権利付き最終月:7月[信用銘柄] |
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第4位は住宅向けの家賃債務保証を行うCasa。
7月末に100株保有でQUOカード1,000円分が贈呈されます。
同社は、個人向け賃貸住宅の家賃債務保証だけでなく、単価の高いテナント向けにも乗り出し、順調に売上高が拡大しています。
前期2025年1月期は2円増配の1株当たり32円配当でした。
今期2026年1月期も同じ32円配当予想ですが、予想配当利回りが3.90%に達する高配当株です。
今後は債務保証の貸倒引当金水準の見直しや住居明け渡し訴訟の業務効率化などで営業利益の向上を目指しているため、さらなる株主還元に期待できるかもしれません。
株価はここ2年近く750~950円前後で横ばい推移しており、現在は長期レンジ相場の下限近辺にあります。
5位:GENDA(9166)
権利付き最終月:7月、1月[信用銘柄] |
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第5位はアミューズメント施設「GiGO」を運営するエンターテインメント施設運営会社のGENDA。
同社は2025年1月末から株主優待を新設。今回、7月優待株として初めてランクインしました。
7月・1月末に100株を半年以上継続保有すると、「GiGoグループの店舗」および「カラオケBanBan」で利用できるクーポン2,000円分が贈呈されます。
同社はエンタメ業界の買収や合併(M&A)を通じて急成長を続けており、2026年1月期は前期に買収したカラオケ機器の音通や米国の小規模ゲームセンター会社などの収益が通期寄与し、40%増収、51%増益予想です。
ただ、収益は新たな成長投資に回す方針のため、株主配当はありません。
株価は成長期待で上昇した2024年11月高値1,570円から現在は840円台まで大きく下落。
株価の下げ止まりや新規M&Aなど新たな株価上昇材料の発生を待ってから購入を考えたい銘柄といえるでしょう。
7月株主優待: Jリーグ観戦チケット、那須テーマパークなど夏休みに使えるレジャー系も!
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